abeshi's snapshot :Exhilarate 軽いカメラ PENTAX K-S1

K-S1について色々語った記録(現在終了) by Abeshi.

タグ:Sigma18-50mm

色々考えましたが、K-S1は私の中で消化しきれませんでした。


軽いカメラとしてQ(Q7、Q-S1)を使ってきて、そのステップアップとして検討した機種でした。
光のギミックとか面白いものが搭載されていたり、素直な色づくりなど良い機種であるとは思います。

1年まるまる使っていたわけではありませんが、そこそこに持ち歩いて使ってみて、脚色なしで素直な感想を書きます。

2015-07-17-14-49-35
PENTAX K-S1: Sigma 18-50mm F2.8 1/125s ISO100
#仙台のガーデンショップにて



【操作性】

独特のUI。SONYのクイックダイヤルを思わせるようなとっつきやすいインタフェースです。
ダイヤルが固めで指で頻繁に回していると痛くなりますが、判りやすいと思います。また、Tvで設定した情報をAvでもできるだけ維持するので考えて切り替えるときも違和感がありません。

光はタイマーのときにとても役に立ちます。直観的で恥ずかしいポーズを取りやすいです(笑)

AF/MFの切り替えスイッチの位置が悪く、勝手に切り替わることが多いです。
ただし、オートフォーカスを外し、置きピンして撮ることを考えるときにはすぐに操作できて楽ではありました。




【表現力】

20MPの表現力、ローパスセレクターのおかげで、とても綺麗な絵になります。
その他、カスタムエフェクトを色々選べます。フェードカラーやハードモノクロームなどがお気に入りです。赤外調を使うときには露出補正で明るめにズラす方が良い感じでした。

様々なKマウントレンズ、こと、FA Limitedシリーズをオートフォーカスで使えるのは嬉しいです。


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PENTAX K-S1: DA16-85mm F3.5 1/15s ISO6400
#パリの教会 サン・ジェルマン・デ・プレの午後2時半。
GPS記録していれば、後からiPhoneで場所(建物名も)表示


また、高感度な事で、本来薄暗くてよく分からないような場所の景色も後から写真を通して見つめる事もできます。上記の写真はその薄暗い場所で肉眼では絵の内容が良く分かりにくいモノですが、まるで近くにライトがあるかのように写しているところを見ると、K-S1のISO6400での性能はナカナカです。



【携帯性】

軽さによる恩恵は大きいです。558gというのはKマウントのボディとしてはかなり軽量です。
ただ、一方で他社のカメラと比較すると、ミラーレスなPanasonicのGX8が435g、SONYのα7IIが599g。CanonのEOS KissX7iで580gですから、ミラーが付いていることを考えたら「そんなもん」な重さかもしれません。


ハード的な搭載ギミックと、レンズ含めた持ち歩きのトータルな重さを見る時代になってきていますので、フルサイズを継承しているKマウントレンズの重量、チルトやバリアン液晶もGPSも無い本体としてみると、他社比較で「頑張ってないな」という重さでもあります。

KマウントのF2.8なズームレンズは総じて重いのが多いため、良いレンズを求めるとレンズとカメラ本体の重さバランスは非常に悪いです。

このカメラは単焦点のレンズでサクサク撮りにいくのが向いています。ズームは他社製の明るくて軽いレンズをK-S1に組み合わせて利用しましょう。



【機能性】

GPSユニットO-GPS1アストロトレーサーを利用できます。利用するときにカメラ本体側のメニューからランプのコントロールもできます(衛星を捉え出ることを知らせるときの青い点滅だけは制御できません)。

他、取りかえるのが結構大変なのですが、フォーカッシングスクリーンというファインダーをのぞいたときに薄ら基準線を表示するガラスみたいなものも交換できます。
その他、TAv時に2ダイヤル目が無いため、Hyper操作はできません。マニュアルレンズを使う際には少し不便かもしれません。



ソフトウェア的な機能としては、そつなく持っています。

使っていて困る機能はほとんどありませんでしたが、水準器機能や水平補正というペンタックスのほかの機種にあるのにこの機種にないのがNGでした。

初心者のために、エントリー機にとって一番必要な光学ファインダーをのぞいた時のガイドラインや、水平水準器、またはその補正が無いということはとても残念でしかたありません。
光学ファインダーの方はフォーカッシングスクリーンを別売で交換すればなんとかなりますが・・・EVFだったら簡単なのに、と、何度も思いました。


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PENTAX K-S1: DA16-85mm F3.5 1/40s ISO100
#パリ、川の公園にて すれ違い

シャッタースピードやISOの高感度性能は申し分がありません。もっとも連射バッファは少ないので1度に何枚も連射する使い方には向いていないでしょう。

残念ながら、動体へのAFは多点にしてもそれほど精度がよくなく、全ての局面で中央1点ピント合わせで使うことをお勧めします。
でも中央重点にしていると、上記の写真のようなシーンで小さめの物体が走って〜子犬などを追いかけながら、ピントを合わせ撮るのはまず厳しい。
中央重点にしてファインダー覗きながら追いかけるなんて普段のスナップではとても難しいことです。
そんなときに連射が活きてくるんではないかと思います。
まぁブれてても本人の思い出に貢献していて面白ければ、それでいいんじゃないかな。K-S1を使う時には少しくらい気を大きく持たないとダメかもしれません。


【総評】

ぶっちゃけ、誰のためのカメラ?と悩みます。初心者なようで、初心者向けの大切な水平水準器機能を削っていたり、三脚使わないんだろう設定にしたとしても、光学ファインダーにはガイドラインすらない。
まあ、他には珍しい光で知らせる機能や指で大きく回すダイヤルを搭載してて、一見優しそうなんだけど、他のカメラとの違和感が有り、ステップアップにもベースカメラとしても独自過ぎ。

でもって、できるだけ重さを軽くしたまでははいいけど、レンズとの重さバランスが悪くて知らぬ間に切り替わってる不親切なAF/MFレバーを側面に配置したボディ。
チョット使う人の気持ちの理解が足りてない気がします。フィールドテストを俺がしたらターゲットに対するハードのデザイン、ダメ出しだらけだったかも。


結論は微妙な対象しか見えてきません。『他の人とは違うものを好むメカ好きで、カメラにそんなに詳しくない人で噂のFAリミテッドレンズを使ってみたかった人向け』ですかね。最近の価格は発売当初の半額以下も珍しくないので安く本格なイメージのカメラが欲しい!、な人にはもってこいかもしれません。今の価格ならヒョイっとても出せそうなきがするし、初期の売り方を間違っただけかもですね。


残念ながら、アーリーアダプターだった私は消化できなかった。
他と違うっていうのは良いんだけど、私にとって大切なところの機能が無いのは使いにくかった。
しかも、Qのステップアップとして検討していただけにタチが悪かったかもしれません。
水準器がない、放置して皆と歓談している姿を残せないインターバル撮影も使えない、あまつさえ使いたいと思うようなF2.8クラスのズームは重い、装着すると不安定で構えてると勝手に切り替わるAF/MFレバー。・・・使い勝手の面での不便が目立ちすぎました。カスタムフィルターの事前登録&クイック呼び出しもありません。つまり、何とQより機能や操作性がダウンしてしまったのです。


2015-07-19-11-17-49
PENTAX K-S1: Sigma 18-50mm F2.8 1/60s ISO1600
#仙台:蒲鉾屋の敷地内

結果、あえて構図を斜めにする写真が増えました。1万枚ぐらい取りましたが、
振り返るとQの頃に比べカナリ斜めばっかりです。

これ、初心者向きでもない気がします。初心者がPENTAXに求めるのは「防塵防滴」だったり「ハイパーダイヤル操作」するほかのメーカーには無い機能じゃないでしょうか。

それはこの機種にはありません。

「軽い」というところまでは良かったけど、ズームレンズを付けたトータルシステムで、K-S1にスナップとしての汎用性を求めるのはいけない、という感想です。

猫を撮りたくてもモニタはチルトしません。だからファインダーも液晶も見ないでカメラを低くして写っているかどうかもわからないままシャッターを連写します。アクションとしては面白いけど普通じゃない。

また、私はかの人と決定的に違うのが『撮影後の結果が撮るときに見えて当然、目の前より結果が全てとして求めて撮る』タイプだということ。
Qやコンデジ世界で10年以上育った私。
液晶モニタで見ることに慣れ過ぎてた私はOVFと相性がとても悪すぎなんです。
(もしかしたら目で見えてる世界の露出具合と、記録された絵の露出具合が一致していない感があるから結果が目の前で見られないOVFが嫌なのかもしれない。かつ後で写真をいじらない派だし。が、素人なので光量比較とかできないし、なんとも説明ができない)

軽さも同じ。明るさも同じ。朝や夕方に使いたいF2.8クラスで撮るイメージをコンデのジ感覚でK-S1に求めるとPENTAX のズームレンズは重く大きいのでかなりキツイ。
慣れなくて1年経たないうちに2本落としました。高値のF2.8のもので共に重い奴。私はここで目が覚めました。


でも、初めからLimitedレンズや軽い単焦点レンズを付けて使う前提でいると、ものすごく軽くて軽快なカメラになります。ズームレンズの時は交換なんてしない。むしろズームなんていらないと割り切れるカメラ好きの人のためのサブカメラ何だと思います。

残念ながら、私は手放す決意にしました。だから、ここでこのK-S1ブログも終わりにしたいと思います。

決して悪いカメラではなく、私の中でステップアップとして消化したいメインのカメラになれなかった、それだけです。

あ、後、まぁ、これ大切な事ですが、新機種としてデビューした後から半年もたたずに欲しくなるようなカラーバリエーション(白いモデル)が登場したり、K-S2とかいうバリアンできるモデルが出た、というアーリーアダプターをちょっと小馬鹿にするような売り方も嫌いでした。
中々物を出さないPENTAXブランドイメージが定着していただけに、発売と同時に飛びつくのはバカみたいな感覚を覚えてしまったのはキツイ。そういうイメージがついてしまいました。
2か月に1度必ず何か出す、という今のイメージなら良かったんですけどね・・・。
そういうのが重なったり、高価なレンズを2個落としてダメにしたり、という色々なものの連続が、K-S1というカメラに愛着が持てないままになって、最後は他のに変えたい、という積み上げに繋がってしまったようです。


2015-07-04-15-35-03
PENTAX K-S1: DA★50-135mm w/ DC1.4 F2.8(4) 1/125s ISO400
#(落とす前のラストショット)



まだまだ、私の写真ライフはPENTAX Qを基点に続いていくと思います。が、ひとまず、このK-S1という機種のお話は終わりにしたいと思います。今まで気にしてこのK-S1側のblogを見にきていただいて、本当にありがとうございました。

この記事が世に出るときは、すでに手元にないはずです。

see you, the other body. ..

こんにちは。

最近、ようやくフラッとお出かけしてこれました。場所は仙台。

それにしても、この生き物は優雅でいいですね。

KS1P0231
PENTAX K-S1 1/60s F4.0 DA50-135mm ISO3200

PENTAX のカメラはストロボ禁止のエリアであっても高いISOで安定してくれるから結構お気に入りです。

KS1P0006
PENTAX K-S1 1/60s F22.0 FA43mm Limited ISO6400

まあぁ、とは言いながら、最近のメーカーのカメラはほとんど同じようになりつつあるのでその優位性は減った気がします。

この花京院近くの信号みたいに、一見便利そう、コンパクトで使いやすいというか、配線的な摂理にかなったもの、というモノであっても、いつもと違う、と言うだけで見向きもされなくなってしまうモノに近い哀しさを持つモノは、最終的には淘汰されてしまうのかもしれません。

KS1P9989
PENTAX K-S1 1/125s F4.0 Sigma18-50mm ISO200

個人的にはQからPENTAXにきたので、フェードカラーとかのエフェクトがあったり、アナログ時代に触ったことのあるZシリーズのハイパーダイヤル、TAvの便利さは重々承知した上での好きなカメラメーカーではあります。ハイパーダイヤルはK-S1に無かったけどね。

KS1P9992
PENTAX K-S1 1/400s F2.8 Sigma18-50mm ISO100

多分、コストパフォーマンス的にも、K-3IIとかなら、お勧めできるメーカーなんだとも思います。


QからKへと繋ぎ足して、もう1年です。
この間、マジでそんなの出すの、出るって知ってたら、そっち買ったよって言うようなK-S2とか出てましたけど、まあ、軽いこのK-S1を手に入れて良かったんじゃないかなって思います。この一年近くで結構なレンズ投資もして、Kの使い方にもある程度の自分なりの答えが出てきました。

結局あまり紹介出来てませんでしたが、FA28-70mmとDA50-135mm、この2つは素晴らしいレンズでした。が、大きく重かった。そして、原因不明なのですが、マウントから落ちて修理不能になったFA28-70mmと、ストラップの故障でカメラごと落ちたDA50-135mm。ストラップの方は普通じゃない2つ連結にしてたのもあるので自責かな?と思ってますが、どうもQの時のような軽いカメラの感覚で取り回しているようで、やはり重い装備の状態は私に向かないようで。

K-S1とのバランスが悪いのかもしれません。
結局使うのは、軽いSIGMA17-50mmか、FA43mmLimited、たまに77mm Limitedって感じになってきてしまいました。足りない時は1.4倍。

そう、総重量で軽いモノでないとダメな私、と言うのが1年使ってみた結論。
軽い奴でないと向いてないみたいです。重いと首も痛くなるし。

って考えた時、Qの後継は、Kを使った後だと軽さ以外のメリット無く、画質やISO感度的にも満足出来ない事もあるため、もう買うことも無いかな? って感じてしまうのです。でも、だからと言って、Kの後継で軽いのを買うかと言えば、Noでしょう。
欲しいカメラは、バリアンもしくはチルトして、エフェクトをかけながらISOやスピードを変えられて、かつ、その効果が目の前で確認できて、WiFiか何かでも構わないのでGPSを埋め込むかiPhoneに転送出来て、連写がしっかりしてて割と動態AFに強いやつ。あと、水準器と9分割フレーム。

コレが答えです。だから、今のPENTAXにこれを満たすものは無い。意外にも、動きまくってじっとしない嫁さんのスナップとか撮るので、AF中央で捉えようと頑張っても、多点にしても外してることがおおいQ-S1とK-S1。ピンボケ防ぐために連写してたり。
あと、露出補正やモノクロを使う時、撮る段階で確認できないのも嫌い。あとから見るなんて、そんな余裕ないない。その場を逃したら、もう終わりです。だから、素のままな光学ファインダーは私に向いてないのも残念。

後で捨てたり加工するのが大好きな人には良いんでしょうけどね、そんな事を痛感した約1年でした。Q7の時の方がハナからAFとか割り切れてたから満足出来てた事実に気がついたというべきか。

また、ミラーを持つカメラのレンズの宿命というのもあり、軽いトータルシステムは、もうこのマウントもしくはQにも期待はダメかなあ、と限界を感じてきてるこの頃です。
重いと思わなければ、いいカメラなんですけどね。手に入れた43mmと77mmのレンズ専用のカメラになってしまうかもしれません、このK-S1。DA16-85mm、DA17-70mm、Sigma170-500mm、DA40mmLimited、TamronA16、そして壊れたDA50-135mmとFA28-70mm。ここまで色々勉強になったと思います。

FALimitedレンズは大好きなので、手放してやめることは無いけれど、フルはもっと重そうだし、もう少し取り回しの良い所のボディ側の視野を広げて考える時期に来たかな?と言うのが本音です。軟弱なんですよね、俺(笑)

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